2010年07月12日

年金受給権の二重課税

年金受給権に課される相続税と受け取った年金に課される所得税は、二重課税であるとした最高裁の判決が平成22年7月6日に出ました。

一審の長崎地裁では二重課税であるとされましたが、二審の福岡高裁では年金受給権と年金は法的に異なるものであるとして二重課税には当たらないと逆転の判決になっていた事件です。

死亡した人がかけていた生命保険の保険金を一時に受け取る場合には、相続税だけで課税が終わります。しかし、保険金を年金で受け取る場合には、1986年の国税庁通達により、相続時に年金受給権として相続税が課され、年金受給時に所得税が課されてきました。

所得税法では相続財産には所得税を課さないとなっています。
保険金を一時で受け取れば相続税だけですが、年金で受け取れば相続税と所得税が課される。二重に課税されていて、不公平感がありました。
 
今回の判決で、二重課税であり違法であるとされました。

国は、5年間の還付請求を認めていますが、それ以前のものについても救済策を考えていくとのことです。二重課税の期間が長いため、その件数はどのくらいになるのでしょうか。

今回の判決がこのようになると予想されていたからでしょうか、平成22年改正により相続税の定期金(年金受給権は定期金に当たります)の評価方法の改正が行われています。

二重課税でおかしいではないかという長崎の税理士さんの訴えは、通達に縛られて実務を行っている自分のような未熟な税理士からするとはっとさせられます。ひとつの疑問から、法律を変え、社会を変えていくことに繋がっていくことを実感させられます。

税理士の仕事上、通達は実務を進めるための指針のようなものとなっていますが、法律解釈は多面的なものなのだということを心していこうと思います。
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posted by 税理士法人M&T at 21:54| Comment(0) | 所得税 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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