2009年12月07日

最高裁判決より

 少し前になりますが、平成21年7月10日に法人税の所得税額控除の限度額の計算ミスによる更正の請求が認められるのかを争点にした裁判の最高裁判決が出ました。

 法人税法では、法人が受取配当から控除された所得税額を法人税額より控除することができます。控除できる所得税額は、その元本の所有期間により計算した限度額までとなっています。
そして、この規定を適用するためには、確定申告書に計算の明細を記載し、控除できる金額は確定申告書に記載された控除限度額までの金額とするとされています。
しかし、確定申告書に計算の明細を記載していない場合もやむを得ない理由がある時は控除を認めるとされています。

 今回の事例では、法人は確定申告書に配当・所得税の金額は正しい金額を記載していたのですが、所有期間の計算に誤りがあったため控除限度額が少なくなってしまっていました。

 課税庁は、控除できるのは確定申告書に記載された控除限度額までの金額であり、単なる計算ミスはやむを得ない理由とはならないため更正の請求はできないとの見解でした。

 最高裁の判決では、規定の適用の要件は税の早期の処理のため、法人が控除を受ける範囲の選択をしたものを追加することを排除するためのものであり、適用を選択しなかったものを、後から適用を受ける範囲を追加することを許さないとしたうえで、今回は控除を受ける範囲を追加したものではなく、控除限度額の単なる計算ミスなので更正の請求ができるとしました。

 最近は納税者が勝訴する裁判事例が増えてきているようです。
裁判事例を勉強すると条文解釈は、様々な要素により多彩に広がっていくものなのだと解ってきました。日々実務に追われて、なかなか時間がとれませんが、判例はいろいろな考えと出会えるので面白いです。
posted by 税理士法人M&T at 23:59| Comment(0) | 法人税会計 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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